
園長 安江 奈留美
<今月の草花> おやすみ
5月から、いろいろな草花を紹介してきました。どれも子どもたちが生活の中で親しんでいる草ですが、意外と名前に興味をもつことはありません。実際、子どもの発達年齢から考えると、名前より五感をはたらかせて花の香りや手触り、そこに寄ってくる虫への興味を示すことの方が多いと感じるし、そういった感性やつぶやきにこそ共感し、大切に育てたい力であると思っています。ただ子ども達が恐竜やこびと、ポケモンなどに夢中になって名前を覚えていく姿を見ていると、草に名前があることに気付けば、中には興味をもってくれる子もいるのでは?と思った次第です。
「あれ何?」「これは?」。2歳になったMちゃんは、職員室に来ると指差しをして物の名前を聞いて来ます。名前に興味があるというよりは、指差しをして問うと先生が応えてくれるのが嬉しいようです。言葉の獲得と同時にコミュニケーション力や達成感のようなものをどんどん身に付けて成長していることをその姿から感じます。「名前を覚えさせたい。」「字を学ばせたい。」のではなく、小さなはたらきかけが、子どもの興味・意欲によって広がったり、深まったりし、最終的に文字や言葉の獲得につながっていくと考えます。
